株式会社サンキュードラッグ

全国的知名度を誇る地域密着型ドラッグストアチェーン
株式会社サンキュードラッグ(門司区)は1956年創業、北九州市とその周辺市町村に73店舗のドラッグストアと調剤薬局と展開するドラッグストアチェーンだ。
独自の経営戦略は「カンブリア宮殿」などメディアにも度々取り上げられ、地域密着型を貫くもその知名度は全国的、光る経営戦略で北九州を代表する企業のひとつだ。

ローカル企業はローカルにフォーカスする
高齢者の生活行動は半径400mで完結しているという実態のもと、サンキュードラッグでは1kmごとの出店を進めている。
「北九州地区は高齢化先進都市として、日本の15年後の様子を表していると言われています。地域の課題を悲観するのではなく、逆にチャンスと捉え、未来の日本に求められていることに答えを出せる場所として考えましょう。」同社の平野社長(60)は語る。
高齢者の85%は健常者、届けるのではなく外に出て歩いてもらう、人生を楽しんでもらう、高齢者の健康と生き甲斐までを考えたローカル戦略を貫く。

オムニチャネル戦略、デジタライゼーション
人間味あふれたローカル戦略と同時に、ITを駆使した企業近代化にも余念がないのがサンキュードラッグだ。事業展開は何も高齢者だけをターゲットとしたものではない。
27万人の顧客購買記録(ID-POS)、9万人のWeb会員、これらのデータから生み出される情報をもとに、市場、地域、顧客の「欲しいもの」を提供する。
「我々が持つのはビッグデータではなく、ディープデータです。リアルな店舗がお客様にとってより利便性が高いものであるために、バックヤードのデジタライゼーションは欠かせません。」
リアルとデジタル、一見相反する二つを最前線で感じられることもサンキュードラッグならではの魅力だ。

20年後のあなたたちの姿を保証する
取材中、平野社長が見せる顔は、経営者としての顔と同時に、教育者の顔だった。「経営者仲間からは無責任だと言われることもありますが、それでも私は言います、未来を見えるようにするから、もっと新しいことに挑戦しよう、と。従業員を作業員にしたくないんです。」
褒める文化が定着しているサンキュードラッグでは、営業会議では各店舗の社員・パートの表彰に多くの時間が割かれ、従業員の家族向けの経営発表会なども行われる。
更に平野社長が主催する「潜在需要発掘研究会」では、取引先や同業他社までが一緒になり、商品開発や販売開発を行っている。ドラッグストアの未来、小売業の未来は北九州から変わっていくのかもしれない。

