株式会社ハローデイ

日本一視察が多いスーパーマーケット
株式会社ハローデイ(小倉南区)は1958年創業、北九州・福岡・遠賀筑豊、福岡県を中心に55店舗のスーパーマーケットを展開している有名企業だ。
「縁ある人を幸せにする」「働きたいスーパー日本一」を掲げ、「アミューズメント・フード・ホール」として顧客だけでなく従業員にとっても楽しい店舗づくりを従業員主体でおこなう。生鮮食品にも強みを持ち、小売他社の視察は絶えず、日本一視察が多いスーパーと呼ばれている。現社長が入社当時破綻寸前だったハローデイは業績を急回復、30年間増収を続け、現在の売上高は800億円を超える。
苦しい時に救ってくれたパートのおばちゃん達
「苅田町出身の私にとって北九州市は憧れの都会でした。ハローデイの今があるのもここ本社徳力(小倉南区)の店舗がヒットしたのがきっかけです。当時人件費も賄えず、店長だった私は日夜問わず帳簿付けから商品の品出しまでをしていました。そんな私を見かねて、時間外に搬入を手伝ってくれたり、おにぎりをくれたりしたのはパートのおばちゃん達でした。これは生涯忘れることはありません。」同社の加治社長(56)は目を潤ませる。「北九州は温かい街です。昨今悪いイメージがついていますが、本当の北九州を知って欲しいですね。」インタビューをした社長室の本棚には、北九州に関する書籍が並ぶ。

当時の店舗の様子(店名は「かじやストアー」だった)
人・想い・体験
人間力に基づく経営、ハローデイの方針はその頃に定まったように感じる。
同社では「コロンブスプロジェクト」と銘打ち、年間7回(国内5回、海外2回)の研修旅行を実施、参加人数は1回20名でパート従業員も参加する。参加した従業員は、研修先での食・体験を持ち帰り、それを店舗運営に反映する。「自らが体験し、感動し、それを店舗・商品を通じてお客様に伝える。商品には想いが乗っています。人・想い・体験、多くの体験をしてもらうことで従業員の発想、行動は大きく変化してきています。」加治社長は語る。

コロンブス プロジェクトで訪れたセブ島(フィリピン)にて
※現在、コロンブスプロジェクトは新型コロナウイルスのため活動を休止している
食を通じて人を幸せにする
今年若くして課長に昇格する野入さん(36)はハローデイで働く魅力についてこう語る。
「会社のミッションやビジョンをここまで大事にして実践する会社はなかなか無いと思います。「縁あるひとを幸せに」を筆頭に当社のポリシーに共感できる方は当社に入社して間違いはありません。私は以前フレンチレストランで働いていたのですが、たまの外食ではなくもっと日常的な食に携わりたいという動機もあり当社に入社しました。食を通じて人を幸せにする、お客様を楽しませることにワクワクしながら一緒に働きたいですね。」
同じ志のもと従業員個々のアイデアを尊重して顧客を楽しませる、ハローデイの人気の秘訣はここにある。

新店のオープンに際し、新しい仲間に経営理念を伝え続ける加治敬通社長