株式会社いきいき

介護、介護者スクール、フード事業で地域介護の質を高める
株式会社いきいきは介護保険制度が創設された翌年の2001年5月に「あなたの笑顔が見たいから」を理念とし、若松区青葉台にある民家を改築して定員20名のデイサービスから始まった。今では若松区、八幡西区、遠賀町を中心に介護事業所を展開。2016年4月には「介護研修スクールいきいき」を設立。介護福祉士実務者養成にも力を入れている。またセントラルキッチンの運用や外食業にも参入し介護サービスにおいて重要な“安全で美味しい食事”の改善に日々努めている。介護予防や認知症への取り組みについては、高齢化が進む北九州では重要課題である。
同社では、地域の自治区会と認知症の行方不明者の模擬訓練を実施するなど、高齢者が安心して暮らせるまちづくりへの活動に積極的に取り組んでいる。このような地域介護への深く幅広い取り組みや事業内容が評価され「平成29年北九州市魅力ある介護の職場づくり」において最優秀賞を受賞。北九州市は高齢化率31.5%(平成31年3月)であり、地域が今後、どう高齢化対策を乗り切るか、まさに“いきいき”の行動は課題解決の参考となる企業だ。

みんなで考え、理念を行動にしよう!
「物を扱っているわけではない。私たちが向き合っているものは心のある「人」であり、小手先の技術やサービスでは、利用者の心を広げ深めることはできないでしょう。高齢者福祉で利用者が求める最も重要なことは「楽しさ」であり、それを追求することが、介護事業者である私たちの使命です。」と花田社長は力強く語る。「理念である“あなたの笑顔が見たいから”を行動にする“いきいき職員”は素直で、前向きであることが常に求められます。ですが、そうあることは言うほど簡単ではありません。だからこそ、同社は、職員一人一人が成果を出せる環境づくりと仕組みづくりを大切にしています。」人手不足が深刻な介護業界にあって量ではなく、質を最も重視する花田社長が考える人材育成は非常にシンプルだ。同社には求める職員像と行動指針があり、それをわかりやすく明文化し職員間で共有している。会社がどんな職員を望んでいるかを全職員に見える化することで、業界の中での自社の位置、輪郭を明確にし、それが結果、利用者にとっても選びやすく満足度向上に繋がっているのだろう。「命を預かる現場は常に改善の連続であり、社長一人が考えるのではなく、職員みんなで最善を考え行動できる会社で有りたいと想っています。」

理念の育成と挑戦を
永石部長は若手ながら、花田社長が最も信頼する職員の一人だ。「役職者の成長無くして、職員の成長はありません。権限を持つことで責任感が生まれます。社長の口癖は少数でなければ精鋭にならない。ですから」と語った。その少ない言葉数の中にも同社への熱い想いがひしひしと感じられる。職員の働く良質な環境づくりを日々追求する“いきいき”の魅力は、理念の育成と挑戦に努めているからだ。充実した研修制度、ITCの活用による介護職員の事務負担軽減。その他にも障害を有する人でも働きやすい環境構築や勤務シフトの配慮など、職場の環境づくりへの取り組みは細部までいきわたり、現場のスタッフの笑顔や利用者への細かく丁寧な対応にも同社の共有する理念が表れている。
