黒崎播磨株式会社

北九州そして日本が世界に誇る耐火物業界の雄
黒崎播磨株式会社(八幡西区)は1919年創業の100年企業、東証1部上場、耐火物やセラミックなどの製造販売をおこなうメーカーだ。日本の近代化から歴史を歩み、主力の耐火物事業は国内最大手、世界でも3番目のシェアを誇る。近年の年商規模は約1,400億円、連結対象会社国内5社、海外11社、単体従業員数約1,400名、連結約5,000名、北九州というよりも日本が世界に誇る耐火物業界の雄だ。

産業と生活を支える 素材のための素材
鉄、セメント、ガラスなどの素材製造には、溶解したそれら素材の熱に耐えうる素材のための素材が必要、それが耐火物だ。耐火物の耐火度は一般的に約800~2,000度と言われており、黒崎播磨が主力とする鉄鋼用耐火物の耐火度は約1,400~1,700度と耐火物の中でも高い。黒崎播磨は高炉から連続鋳造に至るまで、鉄を作るプロセスフルラインのラインナップを揃えている。同社の事業範囲は鉄鋼業界に留まらない。100年蓄積した技術はセラミックス事業として、半導体・電子機器などの精密機械分野、さらには建設分野などにまでおよび、産業と生活を支えている。

世界で戦え 黒崎播磨
耐火物の国内マーケットは頭打ち、一方でグローバルマーケットは途上国の発展によって成長を続けている。当然黒崎播磨が注力するのもグローバルマーケットにおける事業展開だ。「国内マーケットをないがしろにするつもりはありませんが、誤解を恐れずに言うと徹底的な海外志向です。積極的な海外展開により、2009年度約100億円だった海外売上は、2019年度約500億円、総売上に占める割合も36%にまで増加しています。ローエンド型のグローバルマーケットに適合しつつ、国内マーケットで培ったハイエンド型の製品・技術・サービスをもって、今後も海外展開を進めます。前を走るR社(イギリス)、V社(ルクセンブルク・オランダ)には未だ大きく水をあけられていますが、これに追いつけ追い越せで、2023年には海外売上比率50%を目論んでいます。」同社の幸野グループ長は意欲的に語る。

グローバルで戦える人材を
採用担当の大村さんは続ける。「事業戦略から当然とも言えますが、求める人材はグローバルで働ける人材、働きたい人材です。トップランナーを追う身ですから、若手のうちからアクティブに動いてもらいます。任されることに責任感と誇りをもって、成長して欲しいですね。」「100年企業の良し悪しで、特に私たち世代(50代)を中心に、組織的柔軟性はまだまだ足りないと自己分析しています。様々な領域の自由な発想をもった人材を迎え入れ、会社の成長を加速させることが重要と考えています。」そう語る幸野グループ長の話からは柔軟性と変革に対する強い気持ちが感じられた。世界的な寡占市場でグローバルにトップを狙う、これに興味があるならば黒崎播磨という会社はうってつけの舞台と言えそうだ。
