株式会社ヴィンテージ

医療や福祉をITでニッチに攻める

株式会社ヴィンテージ(小倉北区)は2005年創業、「医療や福祉の現場と制度のギャップをITで解決!」をキャッチコピーに医療・福祉のソフトウェア開発をおこなっているIT企業だ。

専門性が高くソフトウェアが提供されていない領域に対し、制度に準拠しつつユーザビリティを追求した開発をおこなう同社は、ますます負荷が高まる医療・福祉現場の縁の下の力持ちだ。

IT業界のピラミッドには入らない!

IT業界の仕事の基本は「人出し」である。顧客(企業)から発注された仕事を一次請け企業が受ける。作業人数や時間が足りない場合、その下の二次請け企業が仕事を請け負い、大きな案件になるほど三次請け、四次請けとピラミッドは層を増やしていく。下層に行くほど発注金額は削られ、仕事内容は「作業化」していくことは必然だ。

「このピラミッドに入ってはいけない!それだけを誓って、最初はとにかくどんな仕事でもやってきました。結果的に医療・福祉に強くなって、今の業容に繋がっています。創業当時の何でも屋をやめるのには2年くらいかかったかな。」

そう郷田社長(41)は笑顔で語った。

同社開発の病院向け施設基準管理システム(iMedy)は九州大学病院を皮切りに、全国の医療施設で導入が進んでいる。

北九州から全国区の仕事を

「医療・福祉業界は人手不足にも関わらず、その重要性は一層高まっており、働く人々の負担は今後さらに増えるだろう。これらの業界でITを使った現場の効率化につながるソフトウェアを開発し、改善を続けることにより社会貢献していきたい。他に先駆けて高齢化が進んでいる北九州からこのようなサービスを発信できることは面白いと考えています。大企業へ、また、大都市へ働きに出ることも大いに賛成するが、一方で、この北九州で全国区の仕事ができること、中小だからこそできる個を尊重した働き方があることも覚えておいてほしい。」

郷田社長の想いは熱い。

「柔軟すぎる勤務形態」「チャレンジができる」

「役員も含め、20~40代の若手社員で構成される活気がある企業です。かなり柔軟な勤務を許容してくれるところがあり、私自身、副業をもつ短時間勤務の正社員です。希望すればリモートワークも可能。介護や育児で定時出勤できなくても働けます。柔軟すぎると言ってもよいかもしれません(笑)。小規模の会社なので、担当の枠を超えて多様な業務をこなす大変さはあるが、多分に挑戦の機会をいただけるので失敗を恐れず取り組んでいきたい。」

社員の秋山(37)さんは楽しそうに語る。