トップ保険サービス株式会社

最強の楯は空襲警報からはじまった

トップ保険サービス株式会社(小倉北区)は1926年創業、損害保険7社・生命保険13社を取り扱っている保険代理店だ。創業当時、茶道具店の副業としてはじめた代理店業だったが、「空襲警報」が鳴ると自転車ですぐさまお客様のところに駆けつけ、防空壕に避難させるほどお客様想いだったそう。
そんな初代の想いを引き継いで保険業に専念することとなり、事故処理の面倒見が良い保険代理店として大きく発展していった。
現在では全国に顧客がおり、従業員27名、取扱い年間保険料が19憶を超える全国有数の保険代理店となっている。

顧客・地域・従業員の「三方よし」

「人の役に立つことが組織の最大の目的である」と野嶋社長は語る。
あらゆる社外の人から「役に立つ会社だなあ」「頼りになる会社だなあ」と思われるかというのが、会社の方向性を決める最重要項目だという。
従業員もまた、自発的にどうすれば「人の役に立つ」のかを真剣に考えて実行しているそうだ。そうすることで顧客からの喜びの声を直にうけ、従業員の働きがいを強く実感してもらうとのことだった。
「人の役に立つこと」をすることが地域貢献となり、ひいては従業員の働きがいを高める。
従業員満足度100%という驚異の数字はここから生まれているのだと改めて理解した。

会社を救ってくれたお客様への恩返し

順風満帆な会社にみえるが、倒産の危機に直面したことがあったそうだ。
よかれと思ってお客様企業の手形の裏書きしたことが発端で、多額の債務を背負うことになったのだ。その負債は当時の金額で7億円を超えたという。
当然、簡単に返済できる金額ではなかったが、地元の同級生や既存のお客様の応援により、3年後には東京海上専業代理店の総合ランキングで日本一を獲得するまでになった。
しかしそこには誇りはなく、ただ恩返ししたいという思いに駆られたと当時を振り返っている。
新規開拓をせず、既存顧客や地域への徹底的なサービスには、「恩返し」という気持ちが根底にあるのかも知れない。

「働く」とは「寄り添う」ということ

入社5年目となるお客様サポート部の権田さんは、「ノルマがない」「全員面接」といった他社では感じられなかった「おもしろさ」に惹かれて入社を決意したという。
入社後、その「おもしろさ」は新たなステージへと変化した。
入社1年目から様々な仕事を任され、「ノルマがない」という会社のスタイルにも関わらず、顧客側から問い合わせや申し込みが次々とくることに驚いたという。とにかく寄り添った対応を目指すことで「働く」というイメージを大きくプラスに転換しているように見えた。
結婚や出産をしたとしても、できるだけ長く仕事ができたらいいと語る彼女に、今後も注目したい。